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2019年2月4日 ・・・ デジタル疲労

デジタル人間、アナログ人間という言葉があるように、
連続的で曖昧さを許容するアナログと、
不連続で厳密さを求めるデジタル、
この二つに向いている人間のタイプがそれぞれあるようです。

男女でいえば、右脳と左脳、
この二つの脳を独立させて機能される傾向の強い男性はデジタル型、
二つの脳をつなぐ脳梁の太い女性はアナログ型、
一般論ではこう表現することができます。


デジタルとアナログは互いに支え合い、補い合う関係であり、
例えば生命というものを見ると、
その生命情報を時系列でつないでいくための遺伝子DNAは、
四つの塩基で構成されたデジタル色の強いものであり、
それゆえにその生命の器となる人体は対極的にアナログ的要素が
強くなっています。

今世界を席巻しているコンピューター、
その内部の仕組みは完全なデジタル世界です。

けれどそのコンピューターが高度になるにつれ、
人と直接関わる部分であるインターフェイスはより人間的、アナログ的になり、
昔はパソコンを操作するのは唯一キーボードで、
しかも入力するのは難しいコンピューター言語のみといった形だったのが、
今は指やマウスで画面のアイコンをクリックしたり、
音声で直接命令することができるようになったりと、
以前とは比べものにならないぐらい機械と人間との間の壁は
低くなりました。

それでもやはり日々パソコンに向かっているとくたぴれます。
最近はそのストレスが大いに溜まり、
その効果的解消法を模索しているところです。


コンピューターに初めて触れたのは三十数年前、昭和の末期です。
会社でオフィスコンピューターが導入され、
その操作を覚えるために泊まりがけで研修を受けました。

今から見ると本当に簡単なことしかできないNECのオフコンでしたが、
当時はたぶん一台百万円以上したのだろうと思います。



5インチの大きなフロッピーディスクを何回も抜き差しし、
ワープロソフトのランワード、表計算ソフトのランプラン、
図形ソフトのラングラフを立ち上げます。

研修では若くてキレイなNECのインストラクターのお姉さんの指導を受け、
それぞれのソフトの使い方を習いましたが、
結局その後使いこなすことができたのはワープロソフトだけでした。

その研修ではキーボードの使い方も習い、
その時習ったのがローマ字入力ではなくひらがな入力だったので、
三十数年経った今でもひらがな入力でキーボードを叩いています。


この機械をワープロとして随分と活用させてもらいました。
けれど長い時間画面に向かっていると、
頭の中の思考回路がたぶんデジタル的になるのでしょう、
普段とは違う感覚と疲労を覚え、
なんだか人格そのものまで変わってしまったような気分で、
自分はデジタルには向いていないことを強く意識するようになりました。

その後コンピューターとはしばらく関わりを持たない期間があり、
二十年ちょっと前にワープロ専用機を使ったぐらいで、
「自分はパソコンは絶対に使わない」
と周りに公言するぐらい意識的にデジタル機器を避けていました。

それがWindows Meが流通していた二十年弱前、
自分で事業を興した関係でどうしてもパソコンを使わざるえなくなり、
いやいやながら触ってみると、
昔のものとは違いウインドウズは画面を見て感覚的に操作でき、
マウスを使ってカーソルを動かすというのがとても面白く、
自分でいろいろと操作をし、マニュアル本を何冊か読むうちに
どんどんとパソコン操作に慣れてきて、
知らず知らずのうちに周りの人にパソコン操作を指導し、
修理をしたりホームページを作ったりするようになりました。
  (このホームページは旧石器時代のままですが・・・)

今も自分がデジタルに向いてる人間だとはまったく思いませんが、
今のパソコンはヒューマンインターフェイスがとても優れ、
その豊富な機能は限りない世界を創り、
元々機械操作が得意な人間にとって大いなる味方となっています。


そんなインターフェイスの優しい今のパソコンでも、
いったん何かトラブルを起したら、
それを解決するために大変な労力を強いられることがあります。

そしてその時の、
いつ解決できるか先の見通しのまったく立たない絶望感、
解決した後の途方もない疲労感、
これはデジタル世界独特のものであり、
頭や体の芯に重苦しいものがのしかかってくる感覚です。

肉体疲労はしっかり食べて風呂に入り、
酒でも飲んでぐっすり寝れば気分爽快になれますが、
デジタル疲労は不健全な感触を残したまま、
後々まで引きずってしまいます。

これは人間にとって過去の歴史で体験したことのないもの、
反自然的なものなのだからだろうと感じます。


最近体験したデジタルトラブルをいくつかご紹介いたします。
パソコンに詳しくない方は訳が分からないと思いますが・・・。

日常使っているパソコンはデスクトップ型で、
OSとソフトは128GBのSSDにインストールされ、
データは1TBのハードディスク(HDD)に収めるようになっています。

これを手に入れたのは五、六年ほど前、
その後ソフトが増えて128GBのSSDに収まりきらなくなり、
より大きなSSDを買って入れ替えればよかったのですが、
その頃はSSDの値段が高く、同容量のSSDを買い、
それを増設という形でパソコンの中に収めました。

そして昨年秋にはデータも1TBのHDDに収まらなくなり、
4TBのHDDを買ってきて増設しようとしたのですが、
マザーボードのBIOSが古いようで、
4TBのHDDが1TBちょっととしか認識してくれません。
またHDDをフォーマットしようとするとHDDの存在自体が
パソコンから認識できなくなりました。



その後BIOSのアップデートができなかったり、いろいろあって、
結局HDDはフォーマットやデータ移行の時点から
パソコン外側のUSBではなくマザーボードと直接SATAケーブルで
つなぐ必要があるということが分かりました。
けれど中では三つのSSDとHDDがSATAでつながっており、
余分なSATA端子があるのか、あるのならどの場所なのか、
そんなことで試行錯誤し、
結局問題解決に至るまで三日ほどかかってしまいました。

その間ネットでいろいろと調べたり、
パソコンパーツの店で質問したり、
本当に精神的にくたびれ果てました。

こういったデジタルの世界のトラブルは、
少しずつ問題を詰めていけば必ず解決に至るという保証も見通しもなく、
その間胸の中に少しずつ重たいものが溜まっていく感じです。


先月、知り合いの女性にタブレット端末を勧めました。
いつも年配向けのかんたんスマホを使っておられるので、
大きな画面で機能も豊富なタブレットの方が簡単で見やすく、
これまでの写真や資料も十分に活用できるようになると
感じたからです。

お金がある程度あるのならiPadがいいのですが、
そうではないようなので、Android系列であるAmazonのFire HD、
その一番画面の大きな10インチ端末をお勧めしました。

Fire HDは本来Amazonのサービスを活用するための端末で、
コストパフォーマンスがよく、
Amazon以外、一般的なAndroidとしての機能も裏技を使って
活用できるとのことです。

そのことを知っていて、
自分はAndoroid端末自体また使ったことがないものの、
ネットで調べれば何とかなると思い、それを買ってもらい、
自分の方ですべてのセッティングをさせてもらいました。

いやいや、なかなか大変でした。
Fire HDについての情報はネットにたくさんあるものの、
そのネットの指示通りにしても同じようにいかないことが多々あり、
インストールした写真や動画が一覧で表示され、
キレイに見る事ができ、PDFが開き、印刷もでき、
Gmailも複数のアカウントで開き・・・、
これらのことができるまでにやはり二日ほどかかりました。

ネットの情報通りにいかないのは本当に困ります。
お陰でAndoroidには随分詳しくなりました。


三つ目、これは今日解決した問題です。
家のパソコンとは別に、
外で使うためのノートパソコンを一台持っています。
iPadもあるので、これは今まであまり使うことはありませんでしたが、
ここ最近は持ち出す機会が増えてきて、
普段デスクトップパソコンやタブレットを使っている感覚からすると、
起動やソフトの立ち上がるスピードがあまりにも遅く、
またこれから海外でも使うことがあるだろうということで、
内蔵の1TBのHDDを同容量のSSDに換装することにしました。
大容量のSSDは最近随分安くなってきています。



このノートパソコンには最初500GBのHDDが内蔵されていたのを、
買ってしばらくした後に1TBのものに換装したもので、
今回のSDDで換装は二度目です。

これも簡単にできるだろうと高をくくっていたのですが、
またまた原因不明のトラブルで、
クローンを作るためのソフトが最初から起動しなかったり、
クローンを作る途中でエラーが出たりとトラブル続出です。

これもネットの情報通りに操作してなぜトラブるのか
まったく理由が分かりません。
あれやこれや想定できる対策をすべて実行し、
なんとかOSの入っているパテーションだけはクローン化でき、
データ領域は空になったままなので、
元のHDDから画面上をドラッグして移し無事解決です。

最後までまったく解決の目処の立たないままでしたが、
二日目になんとか一部分だけでも上手くクローン化できた時は
一人部屋の中で拍手をしてしまいました。

やはりSSDは爆速ですね。
一万数千円の投資でこんなに性能アップするのなら安いものです。
ウインドウズの起動時間は三分の一程度に、
各ソフトの立ち上がりも数十%から数倍スピードアップし、
ノートパソコンが完全に別物に生まれ変わりました。


大きなトラブルも解決された時は喜びです。
デジタル疲労は重苦しいものですが、
その先はより広い可能性が待っています。

ほとんどの現代人は、
日々デジタル情報に深く依存していて、
これなしには生きていくこと、生活していくことができません。
その中でデジタル疲労を感じるのは、
まだ正常な感覚が残されているからと言えなくもありません。
本当に怖いのは、そういった感覚、感性すら麻痺してしまうことです。

感覚、感性というのは曖昧な表現のようですが、
本当はそうではありません。
これは五感の持つ能力ということです。

ディスプレイに表示されている文字や画像に意識を集中するあまり、
生活全般で活用すべき他の感覚が鈍くなり、
その肉体感覚の鈍化が感性の低下につながります。



やはりこのデジタル依存の生活から抜けるには、
デジタル世界から身を引く時間を設ける『デジタル断捨離』が一番でしょう。
毎日の決まった時間はデジタル機器から意識を離しましょう。

先のデジタルトラブルでも、
解決に至らないそのトラブルのことが、
他のことをしていてもずっと頭に残り、それがとても不快でした。

またフェイスブックなどのSNSは自己の承認欲求を増大させ、
他人のこと、他人からの目がとても気になるようになり、
SNSとの深い関わりはその人の幸福度を下げるという研究結果は、
いろんなところから出ています。
<CNN.co.jp : フェイスブック中止で幸福度上昇、情報量は減少 米調査>

まったくの余談ですが、人気漫画家の西原理恵子は、
「男断ちをする『男捨離』だ!」と話していて笑いました。
いろんな断捨離がありますね♪



それとデジタルの対極にあるアナログ、
これを意識して生活の中に取り入れること、
自然と触れる、体を動かす、好きなこと、笑えることをする、
これが大切です。

デジタルが悪い訳ではありませんが、
その対極のアナログを合わせてバランスを取り、
陰陽調和して中道です。


これはここに書いて自分も心がけようと考えていることです。
今思えば、パソコンを触れるようになった当初は、
パソコンのパワーを入れると世界が広がるように感じていました。
けれど今はその逆で、
ディスプレイの電源を落とし、
本を広げたりしてリラックスしていると、
本当の自分を取り戻しているような気がします。

そういえば大好きなフォークシンガー高田渡なんて、
まったくデジタルとは対極的な生き方ですね。
彼の歌うこの「コーヒーブルース」という曲をたまたまFMラジオから聴き、
一発でファンになりました。



この歌に出てくる京都の三条は、
浪人時代通っていた予備校のあるところです。
当時はイノダというコーヒーショップはその存在自体知りませんでしたが、
そのイノダを訪ねて二十数年後に三条の町を訪ね歩いたのは
とてもいい思い出です。


これを見ると、高田渡がいかに人間味のある生き方をしているかが
よく分かります。



あ~やっぱり高田渡っていいな~♪
忘れていた大切なものを思い出させてくれる感じです。

パソコン作業の合間には高田渡がいいですね♪



2019.2.4 Monday  
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