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2018年1月29日 ・・・ 生命系の時代

その昔、もう半世紀も前の小学生だった頃、
ノーベル物理学賞を受賞した湯川秀樹博士の伝記を読んだことがあります。

湯川博士は子どもの頃から好奇心旺盛で、
何かひとつの事を疑問に思ったら、
それを徹底的に突き詰めると同時に、
それに関連したたくさんのことにも興味を持つようになり、
その興味の幅は、樹木の枝葉のようにどんどんと広がっていったのだそうです。

このことを読み、子ども心に
真理を探究するというのはこういうものかと感じた記憶があります。

そして今、特に東洋、生命というものを意識するようになってから、
新たに分かったひとつの事象から、
周りのものを理解する大きなルートが広がり、
その行く末は“生命の実相”という
無限大の世界へと向かっていくことを実感しています。

だから、と言うのもおかしいかもしれませんが、
このホームページのようにひとつの文章をまとめるというのは、
その論理をいったん完結させることであり、
これがなかなか難しく、
何かホームページに書きたいと感じたことがあっても、
ついその作業が億劫で、そのままになってしまうことがあるのてす。

ただし文章にまとめる作業というのは、
ロッククライミングで岩場に確固たる足場としてハーケンを打ち込むようなもの、
そこが新たな出発点となり、
また大きく広がっていく礎となります。


お陰様でインフルエンザは完治したものの、
年末年始と合わせて約一ヶ月間のブランクがあったため、
頭の中の感覚が以前のように働きません。

特にこうして文章を書くことに抵抗があり、
スムーズに文字を打つことができないのです。

けれどこれは悪いことばかりではなく、
すべての感覚がとても新鮮で、
これをステップとして新たな世界へと入っていけそうな、
そんな思いが湧いてきます。

そしてその新鮮な感覚に伴って、
今は自分の基礎をなるところを見つめ直したいという思いが募り、
読む本も、以前読んで感銘を受けたもの、
学問の基礎的な解説書などを手に取っています。


自分にとって最も興味あるものは『生命』です。
この生命の実相を解き明かすことが、
今の時代の大転換期を乗り越え、
持続可能な社会を築き上げる上で最も大切な事だと考えています。

では、その生命とは何かと問われたら、
「生命とは時空にあるすべてである」と答えるでしょう。
これはこれからの時代の基底概念となるものと信じています。

とは言うものの、それをまだ明解な論理で説くことはできません。
それをすることが自分の天命であると以前から感じてはいるものの、
怠慢さゆえ、まだそれができていません。
大いなる反省事項です。

そしてこれからの時代の生命の概念を説くならば、
これまでの時代の生命の定義もよく知らなければなりませんが、
そのことも怠っていたと感じたので、
このたびそれを調べてみました。

生命の定義は概ねこのようなものです。

生命、3つの定義
1、外界と自己を隔てる膜を有している
2、自己と遺伝的に類似した子孫を残せる(=自己複製能力を有する)
3、代謝による生命維持機能を有する


この三条件の中で、
特に1がこれまでの時代の中心概念である科学的見方です。
これは「自己と外界との境界」があるということであり、
生命は個物であるということを表しています。

この考え方は科学すべての分野に行き渡っていて、
たとえば人体を診るための西洋医学では、
人間という生命体を心と体、体も様々な部位に切り分け、
それぞれを専門領域の学問として見るというミクロ思考であり、
その中に、統合、つながりといった考え方はほとんどありませんでした。

しかしながら時代は新たな方向へと急速に進化し、
今年からNHKでも、山中伸弥教授とタモリを司会とした
「人体 神秘の巨大ネットワーク」という番組がスタートしました。
  <人体 神秘の巨大ネットワーク|NHKスペシャル>



ネットワークとはまさにつながり、
これからは科学とは対極で未知の領域であった
生命の持つつながり(ネットワーク)というものが、
様々な分野で明らかになってくるでしょう。

最近たびたびご紹介する小倉の平野薫医師も、
その流れを受け、九州統合医療ヘルスセンターを開設されました。
  <九州統合医療ヘルスセンター>


生命の基本は遺伝子DNAのような二重らせん構造であり、
二本の生命の糸は、完全にバランスを取った対極の性質を持っています。
陰と陽、天と地、東洋と西洋、女と男、・・・ すべてがそうです。

ですから、これまでの生命の概念を見れば、
そこから自ずと対極であるこれからの時代の生命観も見えてくるというものです。

これまでは、生命は個物の中に有すると考えられていました。
だとしたらその対極は個物の外、
モノとモノ、あるいはコトとコト、モノとコト
それらの外側、つながり、関係性の中にこそ存在すると考えるのが妥当です。

つまり簡単な言葉で言うならば、
これまでは“生命体の時代”であり、
これからは“生命系の時代”ということです。


極めて長い期間、
生命が存続できる環境を維持してきた地球は、
地球生命体ガイアと称されます。

地球生命圏―ガイアの科学地球生命圏―ガイアの科学
J. Lovelock 星川 淳 ジム・ラヴロック

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原子核を中心に電子が飛び回る原子も、
それとフラクタル(自己相似形)であり、
太陽を中心に様々な惑星が軌道を回る太陽系も、
ひとつの生命を持った生命系。

引き寄せの法則で、
思わぬ出会う人と人、あるいはモノ、
それらもすべて生命を有するひとつの生命系の中の存在だと考えたなら、
すべてのものを有機的整合性を持って見ることができます。


これは極めて根源的で深いものであり、
本来もっともっと言葉を尽くして述べなければならないことですが、
ここでいったん“岩場に打ち込むハーケン”として
生命系のことを記しておきます。

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2018.1.29 Monday  
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