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2017年8月13日 ・・・ 精読と多読

精読とは、ひとつの本や文章を徹底的に読み込むこと。
多読とは、読む深さではなく、読む量をこなすことを表します。

“精読と多読” よりも “多読と精読” の方が、
言葉として語呂がいいように感じますが、
精読の方がより基盤となるものなので、精読と多読という言葉にします。


毎日少しずつでも英語を学習することを日課としていて、
その学習の基本は声を出しながら英文を読む音読です。

音読するテキストは数多くのものに当たるのではなく、
自分で決めた愛用のものを、少なくとも数十回、
できれば数百回から千回は読み込むようにしています。
これが精読です。

そしてその次の段階として、
様々なテキストを数多く、種類多く読む多読へと進み、
これをベースとなる精読と平行して行います。

この英語学習法は、昨日書いた「立腰」になぞらえるならば、
まずはじめに英語感覚の骨盤、背骨に当たるところを鍛え、
その次に手脚の機能を高めるというようなこととなります。


これは、英語学習に対しては以前から当たり前と考えていたことですが、
『この世(時空)はすべてフラクタル(自己相似形)』、
このことは英語学習だけではなく、
日本語の本を読む場合にも当てはまるということを
最近強く感じるようになりました。

机のある部屋には大きな本棚が二本あり、
だいぶ処分したとはいえ、
数百冊の本が積み重なるように並べられています。

それとともに近日中に読みたいもの、
味わって何度も読みたいと思える本は、
机のすぐ横のラックの中に入れるようにしていて、
そこも最近少しずつ本が収まりきらなくなってきました。


部屋の中、本棚の中、そして心の中と頭の中、
どんなところも時とともに様々なものが出入りをして、
定期的に片付けをしていかなければ散らかってしまいます。

そしてすべてはフラクタルですので、
部屋は散らかり放題だけど、心の中と整っているということはまずあり得ません。
また逆に、部屋や本棚の中を整理することにより、
いつも雑事でゴチャゴチャになっている頭の中も整理されるのです。

最近本を多く読むようになって、
新しい知識を手に入れたと感じることよりも、
今まで頭で分かっていたことが深く腑に落ちる、
または本当に大切なものを見過ごしてきたと感じることの方が多くあります。

本棚にたくさんの本が並んでいても、
その中で今の自分に必要なものはごくわずか、
それに気づくためにたくさんの本を読んでいるようなものだと感じます。

英語学習で、多読することによって、
精読して身に付けたものがより定着するのと同じです。


自分にとって、精読すべき本とは何だろうか、
本当に今必要とし、身に付けるべきものは・・・、
そんなことを最近すごく感じるようになり、
今はそれらを整理することを心がけています。

その精読すべき本、身に付けるべき知識、知恵、
本の数にしてみれば十冊にも満たないもので十分ですが、
それだけをしっかりと人生訓として己の身に付けることができたなら、
どんな幸せな人生を過ごすことができるでしょう。

情報過多の現代では、
たくさんの知識に囲まれた多読型人生を送ることは容易でも、
本当に大切なごく少数のもの、
それを己の骨盤、背骨といった基盤にして生きることは、
多くの人が苦手とすることです。

逆に言えば、己の基盤のなさを見つめることを恐れ、
多くの情報に流されているのだとも言えます。


精読すべき本、身に付けるべき知識、知恵、
これは大切なものであるがゆえ慎重に選ばなくてはなりません。

けれどモノの価値はすべて自分が決めるもの。
そのモノと自分との関わりの中から生まれてくるものです。

本を数多く読むにつれ、
これまで目の前を飛ぶ鳥のように流れていった凄まじい量の情報の
そのほとんどを活かすことなく過ぎ去らせてしまった自分を感じます。

極端なことを言うならば、
書店に行き、少しでもいいと思える本を一冊手に取り、
それを一年間かけて百回読み、
そこに書かれていることを徹底的に実践したならば、
きっと「人生が変わった!」と思えるほどの大きな変化を味わえることでしょう。

価値の主体は自分あるということを理解することは、
何を身に付けるかということよりも重要です。


今は手元にある何冊かの選んだ本の中から、
さらに自分の心に刻み込みたいものを抜き出しています。
そしてそれらの本を精読し、
徹底して自分のものにしようと考えています。

自分のものにするとは、
その本をテキストにして、
他人にレクチャーできるぐらいのレベルまで理解することです。
または「五つの決心」に書いたように、
そこで述べられている要点を手帳に書き写し、
毎日読むぐらい頭の中にたたき込むことです。


徹底して物事を習得し、自分のものにする最初のステップは、
「真似る」ということてす。
外国語である英語を学習していて、そのことを強く感じます。
英語を書いたり話したりするのは、
自分の中に記憶している英文のパターンをそのまま表に出し、
少しアレンジするということです。

英作文は丸暗記している典型的な英文を元にしたものであり、
ある人は、「英作文は英借文である」と述べています。

野球のバットの素振り、空手の突きや蹴りといった基本的な練習は、
理想とされる“型”を体に覚えさすため、
その型を真似、気の遠くなるような回数の訓練を重ねます。

以前読んだ「成功の9ステップ」という本の中で、
著者であるジェームス・スキナー氏は、
尊敬する『7つの習慣』の著者である
スティーブン・R・コヴィー博士をモデリングの対象とし、
ビデオやカセットを元に徹底してその話し方や思想を調べ、学び、
半年後、コヴィー博士の会社の副社長が彼の講演を聴いた時、
「あなたはコビィー博士そっくりだ!」と言われるまでになったそうです。

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精読とは、言葉を換えるなら、
いいものを型としてを徹底的に身に付ける、真似るということです。

本当に自分にとって必要なものはごくわずか、
逆に、ほんのわずかなものでも自分のものとしてしっかりと身に付けたなら、
人生は大きく変わる可能性があります。

腰骨を立て、ほんのわずかでもいい、一歩ずつ前に進んでいきましょう。
それで必要にして十分です。

2017.8.13 Sunday  
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