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2014年1月13日 ・・・ インドの青い鳥

突然ですが、今月31日から三月はじめまでの一ヶ月ちょっと、
再び南インドを訪ねることになりました。
目的はこれまでと同じくインド最南端タミルナド州の
三つのホーム(児童養護施設)訪問です。

6年前、4年前、そして昨年と続き、
今回で南インド訪問は通算四回目となります。

昨年三回目の訪問で、心の中に大きなものを感じ取ることができました。
それは子どもたちと接する機会が十分にあり、
それまで子どもたちからもらった思いが胸の中で飽和し、
その思いがはじけ、大きなものを引き出してくれたのだと感じます。

昨年はインドに行く前から何かを感じるだろうという予感がありました。
虫の知らせ、嵐の前の静けさとでも言うのでしょうか、
そんな感覚がインド訪問直前からあり、
もう少しで喉元から出かかっている何かを、
インドに行けば顕在化してもらえるような感覚を強く持っていました。
そしてそれは現実となりました。

けれどインドで感じたことを言葉で言い表すことは困難です。
上善水の如し、本当に素晴らしいものは各自の感覚の中に存在し、
淡い水や空気のようなものであり、言葉や形として表すことはできないのです。


昨年インドを訪ねてから、
インドの存在は心の中でより身近なものとなり、
インドは心の故郷であり、
インドこそが自分にとって最も深い気づきと学びを与えてくれる
場所であるということを深く確信するようになりました。

とはいえ今世日本人として生まれた自分にとって、
あくまでも日本が人生のメインステージであり、
日本での日常生活があってこそ、
インドで感じ取れるものがあるのだと考えます。

自分にとってインドはハレ(晴れ)であり、日本はケ(褻)です。
日本に於けるケという日常があってこそ、
非日常であるハレのインドが華やかな舞台となりえます。


昨年インドで大きな気づきを得てから、
インドへの憧れはより強くはなるものの、
今後、今回得た以上の何をインドで得ることができるのだろうか、
これ以上大きなものを受け取るだけの器が自分にあるのだろうか、
そんな見通しの立たない不安が心の中をよぎりました。

ちょっと弱気なようですが、これは偽ることのない思いであり、
今でもその思いはほんの少し残っています。

そんな中、それとはまったく別の動きもありました。
昨年インドを訪れたのが6月から7月にかけての一ヶ月間、
その二ヶ月後の9月、インドでホームを運営する三兄弟のうちの
長兄のスギルタンと末弟のクマールが日本を訪ねてきて、
その間東京を三泊四日で案内することができました。

東京の親友O氏の協力もあり、
自分としては二人を百点満点の出来で歓待できたと考えています。
  <東京観光<2>>

そして二ヶ月前の昨年11月、
今度は真ん中のスレッシュと娘のジーナが日本に来て、
二人を広島に招き、たった45時間という短い時間でしたが、
奇跡的な出会いやサインもあり、
もうこれは百点を超え、120点を付けたくなるほどの
おもてなしを彼らにすることができました。
  <スレッシュ親娘との45時間>

三兄弟はそんなに頻繁に日本に来ているわけではありません。
これは完全にひとつの流れであり導きです。
特にスレッシュ親娘と過ごした広島での一時は、
その裏に見えざる力の存在を強く感じました。

この先何があるのかは分かりませんが、
これからもインドと深い結びつきを持つことを
自らの魂が望んでいるのをハッキリと感じ取ることができます。


インドと今後どのような関係を築けるのか、何を感じ取れるのか、
具体的なものはまったく分かりません。
分からないにも関わらず、そこには必ず何かがあるという確信が持てるのですから、
とても不思議な感覚です。

インドと日本は、自分にとってバランスの取れたハレとケの関係です。
この二つはバランスが取れているのですから、
一方が変われば、他方もそれに伴って必ず変化するはずです。

大きな何かがあるであろうインドの先が見えないのであれば、
よく見える日本での日常を実りあるものにすれば、
自分にとってのインドの形もより明確になるはずです。

また逆に、日本で満足できない日常を過ごしていれば、
インドに行っても得られるものは限られているはずです。

すべてはバランス、原因があって結果があり、
この密接な関係が崩れることはありません。


今は目の前で奇跡が当たり前の様に起こる日々です。
それは表現を変えれば、
この時空を律している法則が、
その形をより理解しやすいよう、
一人一人の前で顕在化してきている証とも言えます。

どんなに奇跡が起きようとも、
それでもってこの時空の法則が変わることはありません。

目の前に現れた奇跡はその法則が顕著に現れたものであり、
偶然ではないきわめて必然的な出来事です。
原因が結果に結びつくエネルギーが高まり、
その結果が生まれてくるまでの時間が短縮された、
ただそれだけのことなのだと感じます。

昨年ネットで話題となったこの究極のバランス芸を見て、
身の回りに起こるひとつひとつのことも、
これとまったく同じ仕組みで成り立っているのだということを感じました。



今この瞬間に行うひとつのことは、
将来起こる(本当は過去も)すべてのことに影響を与えます。

時の流れの強力なエネルギーを感じつつ、
未来を思うことなく今この時だけを見つめ、
インドを思いたいがゆえ日本の日常に心を馳せる、
これが今の心境です。


こうして文字を打っていて、
6年前、初めて南インドを訪ねた時のことを思い出しました。

6年前のお正月、南インドとのご縁をつないでくださった
日本山妙法寺サンカランコービル道場の石谷政雄上人から
国際電話で法要の案内をいただきました。
その時はインドに行くことをまったく決めていなかったのですが、いきなり
「サカイさん、インドには何日に来られますか?」
と尋ねられ、その場でインド行きを決意しました。
すると決意したと同時に周りが自然とその準備のために動き出し、
インド行きは自分にとって必然なのだということを強く感じました。

強く感じてはいたものの、
日本で受けたインド行きに向けての大きな流れに見合う何かを
インドで感じ取れるのか、
インドに滞在している間、常にそのことに不安とプレッシャーを覚えていました。

そしてインドに着いて二週間ほど経った2月21日、
初めて訪ねたカニャクマリのホームで、
子どもたちから心を込めたダンスの歓迎会を受け、
その彼らの純粋さに深く心打たれ、
“これを見ただけでもインドに来た価値があった” と深く感じることができました。



今の思いはその時と似ているかもしれません。
人間は弱いものです。
どんなに確信があったとしても、
少しばかりの不安を完全にぬぐい去ることはできません。

けれどその不安も、経験を重ねることによって少しずつ消えていくようになり、
その消えていく過程が学びであり、楽しみなのだと感じます。


そう言えば、その6年前に初めて南インドに行った時、
ホームで心温まる体験をし、帰国のためにそこから離れた後、
一人飛行場のある州都チェンナイに滞在し、強烈な寂寥感に苛まれました。

あの時にまるで “離れていても心と心は繋がっているんだよ”
ということを示してくれているかのように、
19日前、そこから700キロも離れたインド最南端コモリン岬で出会い、
声を交わした女性と大きなショッピングモールで偶然に再会しました。



あの時は嬉しかったですね。
寂しさに満ちていた心に、
見えない力が奇跡を通して救いを差し伸べてくれたのだと感じました。


四度目の南インド訪問を前にして今の思いを振り返ってみると、
日本で普段感じている当たり前の思いをより深めるため、
インドに行くのではないかと感じます。

やはり自分にとってインドと日本はハレとケです。
ハレとケは繋がっていて、その繋がりを感じ取れることこそが幸せです。

インドで深い喜びと幸せ、そして最高のものを感じ取れるのは、
最も身近で最も当たり前、そして最も自然なことを、
ただあるがままに感じ取れるからなのだと思います。

幸せの青い鳥は、日本でもインドでも、どこにでもいるはずです。
それは自分の胸の内にあるのですから、場所は関係ありません。
その人がどこで気づくことができるのか、ただそれだけです。

それに気づいているならば、
本当はインドまで行く必要はないのかもしれません。
けれど人間は未熟な存在です。
未熟であるがゆえ右往左往し、
そのさまよう過程もまた楽しみとして味わうことができます。

人生は一歩一歩、
究極の幸せがその幸せの青い鳥を見つけることであるとするならば、
幸せの青い鳥を見つけることと同時に、
それを楽しみながら探すこともまた比較の世界を越えた、
限りない喜びに満ちた最高のものなのだと感じます。


昨年はインドで、幸せの青い鳥の羽根を一本ぐらいは見つけられたかもしれません。
今度は無事二本目を見つけることができるでしょうか。

このたびのインドで一ヶ月間を実り多いものとするため、
出国までの残された日本での日々を、
心して生きていきたいと思います。

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