ヨガナンダ 心の時代のパイオニア
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ヨガナンダ



2013年6月14日 ・・・ 腸の時代

梅雨なのに雨が降らず、連日暑い日が続いています。
関西は連続猛暑日だそうですので、広島はまだましな方でしょう。
その暑さに加え、ここしばらくインド行きの準備で寝不足が続いていて、
少し疲れがたまり気味です。

南インドは日本以上の酷暑だそうですが、
たぶん向こうに着いたらホッと一息つけるでしょう、たぶんですが ・・・ 。

疲れているといっても体調を崩しているわけではありません。
逆に体調がよすぎて無理をしているといった感じです。

生の野菜と果物によるローフードの素晴らしさを日々体感しています。
今は効果よりも美味しさに重点を置き、
メロンやバナナ、キウイ、レモン等果物をたっぷりと入れるようにしていて、
出来上がったジュースはとても美味しいのですが、
それで効果が以前のものと比べて落ちているようには感じません。
体がより一層軽くなり、心身ともに快調です。

ローフードを始める三ヶ月前から体重が5、6キロ減り、
厳しく節食しているように思われるのですが、そんなことはないのです。

毎朝美味しいジュースをたっぷりといただき、
昼や夜も食事の合間に少しずつジュースを飲む、
ただそれだけで体は元気いっぱいになり、
“余分なものが燃焼した” といった感じで、
自然と体が絞れてきました。

今週初めに久し振りの献血に行きました。
前回は事前の検査で血液中の脂肪分過多で献血できなかったのですが、
今回は検査も無事通り、一時間かけて血小板を採っていただきました。
たぶんインドに行っている間に血液検査の結果が送られてくるでしょう。
ローフードの効果がどの程度血液に出ているのか楽しみです。

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とは言うものの、無理をしてバランスを崩すことはよくありません。

この時空の基本原理は、共生、循環、フラクタル(自己相似形)の三つです。
その中でバランスは、ともに生かし合う共生と同義です。

バランスが取れているから共生関係が成り立ちます。
男女の比率がほぼ同じだから、人類は永らく種としての生命を維持してきました。
植物と動物のバランスが取れているから、
酸素と二酸化炭素はその割合を一定に保ち続けることができます。

共生関係は絶妙なバランスの上に成り立ち、
そのバランスを保ち、そしてその一部の秩序を少しずつ崩しながら、
時の流れとともに互いの共生関係を変化させ、
循環のリズムを作り出していきます。

バランスを大きく崩すことはこの共生関係を崩壊させることにつながります。
けれどその関係性の中に大きな許容量を持っているならば、
その崩壊のエネルギーをまったく新たな別の共生関係へと
導いていくことも可能です。

人生に於いて、きわめて大きな挫折を経て、
人間性を大きく進化させのはよくあることです。
けれどそのショックに打ちのめされて再起不能になる危険性もあり、
大きな刺激は両刃の剣なのです。


どんなことも、それをどう活かすかというところに価値があり、
絶対的にいいもの悪いものはこの世の中に存在しません。

けれど大きくバランスを崩したものは、
将来的にそれを活かせる可能性があるとはいえ、
それそのままの状態で放置しておくことは、
短期的な視点からはよくありません。

経済偏重で、物質中心主義が行き着くところまで行き着いた今の世の中は、
大きくバランスを崩したいびつな関係性が数多く存在しています。
いびつというのは、言葉を換えれば自然ではないということです。


例えば食生活、本来食べ物とは、
生きていく上での生命維持、活動のエネルギー源となるべきものですが、
それが食料の過剰供給、享楽化に伴い、
必要とされるエネルギー分以上の食べ物を口にするようになり、
その過食、栄養過剰が原因で、メタボや生活習慣病が蔓延するようになっています。

体の栄養が食ならば、頭の栄養は知識、情報ということになるでしょう。
その知識もきわめて発達した情報ネットワークから、
日々洪水のように様々な刺激とともに目や耳に飛び込んできます。
そしてその大量の知識という情報も、
きちんと自らの頭の中で整理、統合し、
行動という形で外に向かって表現、循環できればいいのですが、
ほとんどは頭の中に留まったままで、それを活用する機会はありません。

食べ物が腸の中に長く留まり続けると異常発酵しガスが溜まるように、
知識も頭の中に留まったままでそれを活用していかないと、
知識が異常発酵し、おかしな判断をする元となってしまいます。

このホームページではいろんなたとえ話をすることが多いのですが、
これは決して荒唐無稽なこじつけではありません。
フラクタル(自己相似形)とは、様々な異なる次元、スケールで、
同じような働きがあるという時空の持つひとつの基本性質です。

脳と腸はきわめて似た形と構造をしています。
これは偶然ではありません。

形と構造は極似していますが、
場所は脳が上、腸が下にあり、
脳は硬い頭蓋骨に包まれ、腸は柔らかな表皮で覆われています。

腸が目に見える食べ物を消化する場所であるのに対し、
脳は目に見えない知識、情報を消化する場所なのです。

これはどういうことかと言うと、
人間に於ける男女の関係と同じです。
人間に於いて女と男は互いに補い合う対極の関係であり、
女と男はまったく逆の特性、性質を数多く持ち、
それで互いを生かし合っています。
そしてそれとともに、同じ人間であるということで、
人間である属性は完全に一致しています。

脳と腸もこの男女の関係と同じであり、
相似と対極の関係を併せ持つ欠くことのできない対極関係です。

対極関係のものとは、同じ人間、同じ臓器とその構造等、
同一のカテゴリー、構造を持ち、
その中で真反対の対極属性を持ったものをさすのです。

こんなことは東洋の理を学んでいれば至極当然なことなのですが、
西洋科学でこのような関係性を研究することはほとんどありません。
これが科学の抱える根本的問題点であり、
今のひとつの極のみを追求する科学万能主義が
崩壊点を迎えた大きな原因となっています。


脳と腸が対極の関係にあるのなら、
そのどちらをもバランスよく使うことが大切です。
腸も脳と同じ構造を持ち、腹黒いといったように深い部分の思考を司っています。

人間は思考する生き物ですが、
その思考に於いて、頭を使うことは容易です。
それは人間の五感の内、体全体を覆う触覚以外の四感は頭部に集中し、
そこから入った刺激はすぐ近くにある脳に届けられ、
アウトプットもまた口から発する言葉、眼や顔の表情といった頭部の機能を使って
表現することが可能です。

それに対して深い思考を司る腸、
これは肚(腹、はら)の座った、肚に収めるといったように
肚とも表現できるのですが、
この腸の持つ思考における働きを十分に活用するためには、
脳から真下の腸に至るまでの体の中心線、背骨、
これがしっかりとした状態で保たれていなければ、
脳と腸をバランスよく働かせることはできないのです。

ですから偉大な教育者である森信三先生が、
『教育の基本は立腰(りつよう)にあり』
と姿勢を正し、背筋を伸ばすことの重要性を説かれた言葉には、
脳と腸のバランスを取り、より深い思考のできる土台作りが
教育の基盤に必要だという意味が含まれているのです。



今の日本人は、この姿勢がきわめて悪くなっています。
ですから頭はよく働き、入ってくる大量の情報を素早く処理することはできても、
それを深く思考し、
それを最も価値ある形で自分に活かすということができないのです。

死んだような眼をしている理屈っぽい頭でっかち人間、
それが今の日本人の姿です。

もうすぐ再訪するインドはそれがまったく違います。
インド人たちはきわめて優れた姿勢と身体能力を持ち、
たとえ経済的に貧しくても、
明るい笑顔とおおらかな精神を持っています。

そういったことを五年前のインドレポートに書きました。
まだ読まれていない方はご一読ください。
  <南イ ン ドで学んだ生きる喜びと幸せ>


東洋的バランス、身体論から見た日本、日本人の課題は明確です。
これからは脳の時代から腸の時代、
脳偏重から脳と腸をバランスよく使っていく時代です。
このことは書いていくとキリがありません。

今という価値観の大転換期、
腸を大切にし、より深い思考で新たな時代の価値観を築いていきましょう。
またそうでなければ決して築いていくことはできません。
新たな時代は、これまでの文明の延長線上にあるのではないのですから。

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2013.6.14 Friday  
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