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2013年5月20日 ・・・ できる範囲で

道を究める “道(どう)” と呼ばれる世界は、
一途にひとつのことをやり通す厳しい世界で、
旧来からのひとつの型を追求し、また新たなる型を求め、
それを不断の努力で貫き通すことで道を拓いていきます。

怠け者の自分はそういったことがまったく苦手で、
道を究めるのではなく、
いろんなところに “寄り道” をしながらマイペースで進んでいくタイプです。

気功、呼吸法、様々な健康実践、・・・
いいと思っていることで十年以上実践していることはたくさんあり、
それで以て周りの人からは生真面目な人間だと思われることもよくあるのですが、
それはまったくの誤解です。

ひとつの事を続ける中で、たくさんの例外を作り、
時には大胆にさぼったりすることが、
自分流の『怠け者継続スタイル』です。

こんな方法が絶対的にいいと考えているわけではありません。
何がいいか悪いかは相対的問題です。
その取り組むべき課題、取り組む人の性格や状況によって
いいとされるスタイルは変ってくるはずで、
自分に合ったスタイルが自分にとって一番いいのです。

臨機応変、その場その時によっていいものを求めていくのが楽であり、
「絶対的にこれがいい」とひとつの方法や考え方に固執することは、
理想的なようではありますが、凡人には近寄りがたい世界です。


ただ絶対的な課題や規律を与えられた方がいい場合もあります。
過去「七号食」という厳しい半断食を二回行いましたが、
一日玄米七勺、三年番茶三号、ごま塩スプーン二杯というきわめて厳しく制約も、
「これをしなければならない」と自分に言い聞かせるからこそ
乗り越えることができました。

この七号食に近い効果を得ようと、
これに準ずる食生活を実践したこともあるのですが、
“できるだけ食を控えよう” という中途半端な思いでは、
どうしても食の誘惑に負け、節制することができませんでした。
誘惑、人間の欲望とはそういったものです。

本来絶対というものはないのですが、
あたかも絶対があると考えて行動を律する方が、
いい方向へと進める場合もあるのです。


過去にも何度か述べたことがありますが、宗教がその典型です。
これまでの金属の時代の宗教は、
金属の時代の特性である硬い型を持ち、
厳しい戒律や教義、教団という形あるものを絶対として示し、
信者に対してそれを遵守することを求めてきました。

これまでの時代はそれが時代の理に合ったことであり、
それが人を導くのに最も効率的で優れた方法だったのです。

ところがこれからの水の時代、
融和、融合、相対の時代はそういった絶対的なものを示すことなく、
相対の世界の中で各自の自由意志の元、
自分に合った最適なものを選び出すことが求められています。

けれどこれには本人の持つ高い判断力と
自らを律する自制心が求められます。
金属の時代から一歩進んだ水の時代は、
時代の進化とともに、主体となる人間にもより高い人間力が求められます。


素晴らしい先人の教えを守り、
それを徹底した実践することで自らを高めようという集団を、
これまで数多く見てきました。

けれどそのほとんどがきわめて排他的であり、
過去の偉大な先人の教えを絶対的なものとして遵守すると同時に、
他のよりいいものにはほとんど目を向けようとはしません。

そしてその絶対的集団から抜けてしまった人は、
ほぼ完全にそこから離れてしまい
それまで学んできたことを生活の知恵の一部として活かしている人は
あまり見かけることはありませんでした。

それはひとつの “善” なる形を絶対的として信じ込むことは、
その他のものを “悪” として強く捉えることと表裏一体であり、
いったん “絶対善” の世界から抜け、
その後もその教えを心の中に持ち続けるということは、
そこから抜けた自分に対し常に悪の要素を感じなければならないのてす。

ですから “毒を食らわば皿まで” のことわざ通り、
罪悪感を感じるぐらいなら、
身も心もすべてそこから脱却したいという思いになるのです。


これからは相対性の時代だからといって、
絶対性が悪いというわけではありません。
言葉遊びのようですが、絶対性が絶対ではなく、
絶対性の持つ価値が、少しずつ相対的に下がってくるということです。

その絶対性の呪縛から逃れるためには、
まずは自分というものをしっかりと確立し、
その上で様々なものを自らで判断でし、
周りとの関わりを考えることが肝要です。

モノの価値はそのモノ自体にはありません。
それとどのように関わるか、その関わりの中から価値は生じるのです。

モノは自分を活かすための道具です。
モノによって自分が左右されては本末転倒です。


ホームページを読んでくださっている方からいろんなメールをいただきます。
その中にはご自分や身近な方の健康の悩みを綴られていることも多くあり、
そんな時には微力ながら、
自分の体験に基づくアドバイスをさせていただいています。

健康を得るためには、
まずは食生活を改善していくことが大切です。
これは誰しもが分かっていることですが、
食べることは生きる上での大きな楽しみであり、
これを節制することは容易ではありません。

ましては自分が節制するのも難しいのに、
身近な人とはいえ、他人にそれを勧め、実践してもらうことは、
たとえ相手が親であってもきわめて難しいものです。

そんな時にはまず自からがいいと思えることを実践すること、
その実践する姿、そして実践することによって変った自分の姿を周りに示すことが、
何ものにも勝る説得する力を持つのです


その際に理想を求めるのは素晴らしいことですが、
最初からまったくそれを諦めてしまうぐらいならば、
理想ではなくてもそれに一歩でも近づこうと努力することが
大切であり価値があります。

また逆説的なようではありますが、
理想を徹底して貫くよりも、
理想の近辺で試行錯誤して取り組む方が、
その理想に至る道筋でどのような効果が生まれるのかを
敏感に感じ取ることができるかもしれません。

まずは実践すること、
そして理想を求めると同時に、
理想に至れなくとも近づこうとしている自分を認めることも大切です。
これができなければ、理想に至れないことが即挫折に繋がります。

理想を求めることが継続への鍵だと感じる人もいれば、
その逆に、理想を追い求めないことが長続きの秘訣だと捉える人もいます。
人それぞれタイプがあるのでしょう。


四年前、愛と奇跡の人小野春子さんに一歩でも近づこうと、
三点セットに近い食生活を志しました。

青野菜、ニンジン、根菜類、この三種類のジュースを作るのはかなり面倒です。
そこで小野さんから、
「サカイさんは健康だから青野菜とニンジンの二種類でいいはね♪」
と言っていただいたこともあり、
まずはこの二種類のジュースを作って飲むことにしました。

野菜ジュースの効果は絶大です。
すぐに体重は減り、肌つやはよくなり、血液中の赤血球の値は増え、
周りから見てもその変化は明らかに見て取れるほどでした。

けれど半年ほど続けた後はやはり面倒なこともあり、
自然と元の食生活に戻っていってしまいました。


そして最近、いろんな人に生の野菜ジュース(ローフード)を勧めていることもあり、
やはりもう一度実践してみようと志し、
二ヶ月ほど前から再びミキサーで野菜ジュースを作って飲むようになりました。

いろんな人に勧めたというのは、
自分もまた飲むようになりたいので、
それを後押しするという意味もあるのです。

今度は小野さんのレシピから離れ、
グリーンスムージーという果物を入れたりする、
少しゆるい方向へとシフトさせました。

果物を入れた方が飲みやすいですし、
まずは続けて実践することが第一です。
そして “理想” から離れることにより、
その理想の持つ意味というものも別の角度から眺めてみることができます。

以前は青野菜ばかり五、六種類入れて作っていたものを、
青野菜はちんげん菜、小松菜、三つ葉、こんなような三種類程度にし、
そこにバナナやイチゴやキウイ、ブルーベリーといった美味しい果物を
入れて作るようにしました。

これだと以前と比べて格段に飲みやすくなります。
飲みやすいということは随時たくさん飲むことができ、
飲み残して腐らす心配もなくなりました。

肝心の効果の方ですが、
量が飲めるので、相対的に生の青野菜の摂取量も多くなるからなのか、
以前の青野菜だけのものと効果に違いを感じません。
以前と同様に体に様々ないい変化が現れてきました。

以前のページにローフードは “生命力が高まる” というような書き方をしましたが、
これは少し抽象的ですね。
より具体的に言うならば、体全体の新陳代謝が高まるのだと思います。
ですから肌もきれいになり、
また食べたものが効率的にエネルギーに変換され、
体の余分な脂肪も燃焼するのだと感じます。

こんなに飲みやすいジュースでこれだけの効果があるのは福音です。
後はいかに手間をかけずに生活の中に定着させるかということです。


小野春子さんのような神人は理想を徹底的に追求し、
その物事の神髄に迫ることが天命であり、
小野さんにしかできない大切な役割なのだと思います。

そしてそれを伝えていただき実践する者は、
自らの持つ身体的特質、意志、嗜好、様々な条件と合わせ、
自分のできる範囲で実行すればいいのだと思います。

その際一時的にでも自分のできる限りの努力をしてみて、
どの程度のことをすればどの程度のことが得られるのかということを感じ、
その上で自らの知恵として自分なりの方法を判断できれば最高です。

何事も無駄がないという言葉の通り、
安易な妥協も含め、時折いろいろと形を変えて取り組んでみて、
途中で止めたりまた始めたり、
そんなすべてのことから変化を感じ、
ものの本質を掴み取る役割にできたなら、
それこそが価値というものです。

何がいいかは自分が決めればいいのです。
できる範囲で結構です。
大切なのは細々とでも継続すること。
継続できればそれでよし、
その上で継続しながら一歩ずつ理想に近づければなお結構です。

自分はそんな自己流スタンスでこれまでやってきました。
これを読まれている方も、自らの自己流スタンスを確立してください。


ローフード、グリーンスムージーに関してはたくさんの本が出ています。
一昨日、何気なく書店で見たこの「1日2杯のジュースでがんは防げる」という本は、
とても参考になることが書いてあるので購入し、今読んでいるところです。

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消化器外科の専門医である著者が、
その診療体験から生野菜のジュースの持つ治癒力の偉大さを説いています。
食事の改善によって、難病とされるがん患者さんの回復力に
大きな差が現れているということです。

そして素晴らしいのが、
生の野菜をジューサー、ミキサーで作った野菜ジュースだけではなく、
市販の野菜ジュースやトマトジュース、また青汁といったものを活用しても
いいとのことで、その活用例を具体的に示しておられることです。

これは誰にとっても簡単に実践できます。
その他健康維持のために書かれているポイントも明瞭で簡単で、
実に理に適っているものだと納得することができました。


ローフードの持つ力、これは短期間でも実践してみたらよく分かります。
今こうして文章を書いている途中にも、
新たに野菜ジュースを飲み始められた方からメールが届きました。

野菜ジュースを三日間続け、腸のいい掃除になり、
明らかに体が楽になり、野菜ジュースの効果にビックリしました、とのことです。


ローフード実践の方法は様々です。
それをどの様にどの程度実践するかは自らが考え、判断するべきことです。

健康は宝です。
生(なま)の命のエネルギーをいただいて、
与えられた自らの体、健康、命を大切にしていきましょう。

2013.5.20 Monday  
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