ヨガナンダ 心の時代のパイオニア
 ヨガナンダ > 日々の思い > 2013.1.31



ヨガナンダ



2013年1月31日 ・・・ 個性

今、家ではCDをほとんど聴きません。
音楽を聴くのはもっぱらYouTubeの動画かそれをダウンロードしたものです。
家にいる時はたいていパソコンの画面に向かっているので、
その方が手軽ですし選曲も容易です。

音質はCDよりも落ちますが、
手軽さと映像がプラスされたことによって
イマジネーションが刺激されるメリットは大きく、
また無限ともいえるジャンルから好きな音楽を聴けるのは最高です。

思いがけず見つけたいい曲は、何度も何度も ・・・ 、
それこそ毎日続けて百回ぐらいは平気で聴いてしまいます。


このホームページを読んでくださっている方の中には、
音を出せない環境の方もおられるでしょう。
またYouTubeの動画は著作権をクリアーしていないものも多く、
いつどんな事情で動画を削除されるかも分からないので、
なるべくホームページには動画を紹介しないように心がけています。

とは言うものの、心に残るいいものはどうしても紹介したくなってしまい、
これまでも数多くの動画をホームページの中に貼り付けてきました。

これからもたぶんそうするでしょう。
動画で音楽を楽しむのは、
日々の生活の中で、なくてはならないものとなっています。


先の「リスペクト」でご紹介したヒロ川島の歌とトランペットは本当に素敵です。
素敵なんて言葉は、男が男に向かって使うべき言葉ではないのかもしれませんが、
彼の音楽は、素晴らしいと言うよりも素敵、
上手いと言うよりもカッコイイと表現した方がしっくりきます。



この動画も、やはりこの一週間で百回ぐらいは聴いたでしょう。
このムーディーな甘い音楽は、
何度聴いても心にほんわかとした快感を与えてくれます。
これを聴いていると自分でもトランペットが吹きたくなります。


昨日、ヒロ川島の別の演奏が聴きたくて、
YouTubeの中をうろうろとさまよっていました。
その時にたまたま見つけたのがこの動画、
市原ひかりが吹くフリューゲルホルンによる「MY CHERIE AMOUR」です。



なんと美しい金管の響きでしょう、
出だしの音を少し聴いただけで、一発で心惹かれてしまいました。

この潤いに満ちた輝くような音色、
これは女性ならではの響きだと感じます。
ヒロ川島のトランペットの音色も魅力的ですが、
彼女の音にはそれとはまた別のよさがあります。

この動画と出合い、
昨日からはこれを無限ループのように聴き続けています。
百回視聴まであと数日 ・・・ かな?


これを何度も何度も繰り返し聴き続け、
頭の中にふと極めて当たり前のことが思い浮かびました。

ヒロ川島、市川ひかり、どちらの音も魅力的であり個性があり、
それに優劣をつけることはできません。

そして個性はあって当たり前であり、
個性がなく、普遍的で究極的絶対的ないい音など、
楽器の音の中に存在しないのではないかということです。


この時空は、存在するすべてのものが調和して、
厳密な共生関係を保っています。
何ひとつとして独立した存在のものなどはなく、
すべては回りとの関わりの中に存在しています。

人間の体の中には、右脳と左脳、脳と腸など、
陰陽の関係がきちんとバランスよく存在し、
それゆえに誕生してから百年近くその生命を維持していくことが可能です。

けれどもその調和の取れた肉体であっても、
全体を性という観点から見ると男であったり女であったり、
どちらかの極に偏った存在であり、
この互いに偏った極同士が結びつくことによって太極が生まれ、
新たな生命が創り出されます。

男女が合わさってより大きなひとつの調和が生まれるものの、
さらに上のサイクルで考えたなら、
動物は酸素と二酸化炭素を交換し合う植物なしには生きていくことができません。
動物と植物、これはさらに一段大きな調和関係です。

そして動植物と地球の大地、地球等の太陽系の惑星と太陽、・・・
このようにマクロ方向への調和関係は無限に続き、最終的にはこの宇宙空間は、
時間との調和によって成り立っているというところにまで行き着きます。


魅力的な音楽、演奏とは、
その中でひとつの調和された世界があるがゆえに魅力的なのでしょう。
  (アンバランスの魅力というものもあるかもしれませんが ・・・ )

けれどそれがいかに魅力的に調和が取れていたとしても、
より大きなスケールで見るとひとつの極に偏っています。
それは偏って当然のものであり、偏っているから悪いというわけではありません。

ヒロ川島のトランペットの音色は、
聴いていてエキサイティングするというよりも、
穏やかで甘いムードに心癒やされます。
これは彼の出す音や、そのベースとなっている彼の生き様に、
破綻なき完結性のある調和を感じるからだと思います。

それでも彼の出す音は、市川ひかりの音と比較して、
男性というひとつの極に偏った音色です。

この一週間、ヒロ川島の男性的なトランペットの音を聴き続け、
今は市川ひかりの女性的な潤いのある音を熱心に聴いていて、
これは自分の中でひとつの調和を取ろうとする行為なのかもしれません。

また調和と不調和、どちらもあって当然のものであり、
この二つがあって初めて別の意味での調和が取れていると考えることもできます。


調和の取れたアンサンブルとは難しいものです。
演奏の中で、違った個性のものを合わせればいいかというと
必ずしもそうではありません。
それは人間関係、特に男女関係を考えてみるとよく分かります。

まずは自分の中で最低限の調和を取り、
その上で個性、不調和な部分を自覚し、
それをどの様にいい形で表出させていくかを考えるべきでしょう。

それを上手い形で表に出すのがいい意味での個性であり、
粋(いき)であり、おしゃれであり、大きな魅力へとつながります。

個性、不調和な部分はあって当たり前、
それを押し殺し、無個性を目指すことほどつまらないものはありません。

自分を愛し、自分に素直になる。
ストレートに自分らしさを出し、
その上で他人をも尊重できれば最高です。

2013.1.31 Thurseday  
ひとつ前へ ホームへ メニューへ 次へ
Link Free
Copyright 2010 Sakai Nobuo All right reserved.