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2012年10月27日 ・・・ ボランティアまつり
今日は車椅子介助のボランティアグループである
「ほのぼの広島会」のメンバーの一員として、
広島市中区福祉協議会主催の中区ボランティアまつりのお手伝いに行ってきました。
会場ではバザーやイベントの他、様々な福祉体験ができるようになっています。
最初に私がお手伝いしたのは、車椅子を体験できるコーナーです。
4台用意された車椅子を使い、
希望する方には実際に車椅子に乗ってもらいます。
そして障害者やお年寄りの立場を理解していただくと同時に、
車椅子を押す介助の体験もしていただくのです。
まずは狭い幅に折りたたまれた車椅子を広げてもらい、
体験者の方に車椅子に乗っていただきます。
介助者は車椅子前方にしゃがみ、体験者の方の足首を持ち上げ、
ステップを広げてそこに両足を置いていき、
準備が整ったら安心感を与えるため体験者の方の膝をぽんと叩いて合図をします。
介助者は腰を曲げ、車椅子に乗る人の耳元で
「では、行きますね♪」と優しく告げてブレーキを解除し、
体験ツアーの出発です。
会場のある5階からエレベーターに乗って一階まで降りていきます。
外の道路をしばらく散策し、途中で介助者と車椅子に乗る人を交代し、
来た道と同じコースで会場に戻ります。
何事も体験してみなければ分かりません。
初めて車椅子に乗り、
意外と路面の振動を強く感じるものだと知りました。
また振動を受けると車椅子のフレームは左右にあわむのですね。
極力軽くなるように出来ているのでそれは当然のことだと思います。
路面の段差では強い衝撃を受け、
少しの前方傾斜でも、落ちそうな感じで怖い思いをします。
また路面が左右に傾いているところでは、
低い方に進路が引っ張られてしまいます。
私は体も大きく力もありますので、
車椅子を押していて押しにくいと感じる場面はまったくないのですが、
何組かペアで体験させてもらった中には小学生の女の子が二人いて、
そのちびっ子たちに大男の車椅子を押してもらっている時は、
進路を真っ直ぐに保つのに苦労するような場面が何度もありました。
けど小さなうちからこんな体験ができていいですね。
体験こそ宝です。
つづいては疑似高齢者体験です。
ゴーグルを付けて視野を狭く曇らせ、ヘッドフォンを付けて音を聞こえにくくし、
膝、肘を曲がりにくくするサポーターを付け、
手首や足首など体の各所に重しを巻き付けます。
これで高齢者の方たちの不自由な体が疑似体験できるということなのですが、
超健康体の私には負担が軽すぎます。
この程度なら返ってバリバリと動きたい意欲が湧いてきて、
宮島の弥山あたりだと楽に登り切ってしまうような感覚です。
けれど身に付けていてもあまり負荷は感じなかった装具ですが、
しばらくこの状態でいて、その後装具を外すと、
まるで体に羽が生えたように軽やかな感覚を覚えました。
やっぱりこの状態でずっと過ごすというのはかなり辛いことなんでしょうね。
視覚障害者支援のコーナーもあり、
そこで初めての全盲体験をしました。
眼がまったく見えなくなるゴーグルを付け、
介助者に手伝ってもらって会場内を歩きます。
これは予想通りかなりの恐怖です。
どこでどんな衝撃を受けるのか見当がつかず、
不安が湧き上がって身がすくむようです。
介助してくださる方を信頼していないわけではないのですが、
介助する方は常に言葉をかけ、
視覚障害者の方に安心感を与えるようにしなければならないと感じました。
お茶を注いだコップを目の前のテーブルに置いてもらい、
それを自分の手で飲むという体験もしました。
コップが倒れたらお茶がこぼれてしまいます。
手探り状態の自分の手でコップを倒さないよう、
まるでロボットアームのようなぎこちない手つきでテーブルの上で手を這わせます。
いったん手でコップをつかめばもう安心です。
あとは楽に飲むことができます。
けれど介助者のいない視覚障害者の方は、
そのコップの中に何が入っているのかも考えなければならないでしょう、
その不便さ、不自由さは想像を絶するものです。
最後に目隠しをしたまま折り紙を折る体験をしました。
実は折り紙にはかなりの自信があり、
目が見えなくても楽勝だろうと考えていたのですが、
実際にできたのはこんな感じです。
担当の方からは上手にできたと誉めていただいたのですが、
自分としてはまったく満足できるものではありません。
みなさんも是非ご自分でこの目隠し折り紙に挑戦してみてください。
折るものは鶴でも兜(かぶと)でも紙飛行機でもかまいません。
最初に折り紙の表裏を判断するところから難しいですよ。
それにこれは指先の感覚を鍛えるとてもいいトレーニングになりますね。
できればこれから家でも時折やっていきたいと思います。
他の人が折った鶴と並べてみました。
赤い鶴は抜群の出来映えです。
概ね女性の方がきれいに折ることができるそうです。
普段指先を使っていると感覚が鋭くなるのでしょう、素晴らしいです。
会場では太鼓や歌、ダンス、いろんな催し物がありました。
まつりには、幼い子どもさんやお年寄り、障害のある人ない人、
いろんな方たちが訪れていました。
そういった人たちみんながひとつになり、体験やふれあいを通し、
施設や設備というハードのバリアフリーだけではなく、
一人一人の心のバリアフリーが進んでいけばいいですね。
それができ、初めて真の福祉社会の実現だと思います。
2012.10.27 Saturday
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